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腰椎(ようつい=腰の骨)には脊柱管(せきちゅうかん)という神経の通り道があります。
加齢などによって変形した椎間板(ついかんばん=骨と骨の間のクッションの役目をします)が飛び出したり、腰椎が変形したり、靭帯(じんたい=骨と骨をつなぐものです)が厚くなったりすることにより、脊柱管が狭くなってしびれや痛みといった神経の症状が出現するのが脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)です。
特に長く歩くと下肢全体にしびれや痛みを生じ、腰を曲げて休憩すると症状が消失するのが特徴です。(間欠性跛行(かんけつせいはこう)といいます)これは、カートをひいたり、自転車に乗ったりするような腰を曲げている姿勢では脊柱管が広がりやすいためです。椎間板ヘルニアに比べ中高年に発症することが多いです。
運動療法:腰部脊柱管狭窄症の方は、腰を丸めると症状が和らぎ、腰を反らすと症状が強まるのが普通です。「反り腰」「反りグセ」を治しましょう。この時に大切なのは、骨盤を後傾させて腰椎を丸める感覚をつかむことです。
薬物療法:運動療法を無理なく行うためにも、痛みのコントロールは重要です。そのためにはまずは鎮痛薬が用いられます。鎮痛薬とともに処方されることが多いのは、血管拡張薬(リマプロスト)です。間欠性跛行(こまぎれにしか歩けない症状)の改善に効果があります。このほか、症状により、筋弛緩薬。ビタミンB12も用いられます。また、従来の鎮痛薬とは異なる作用機序で効く末梢神経障害性疼痛治療薬のプレガバリン、ミロガバリンベシル酸塩やオピオイド系鎮痛薬も使用されています。そして、大脳のDLPFC(左背外側前頭前野)の働きが低下するとマイナスの感情が大きくなり、痛みを強く感じてしまうため、抗うつ薬の中でこの部位に作用するデュロキセチンは鎮痛補助薬として使用されます。
椎間板(ついかんばん)は骨と骨の間のクッションをするものです。
この椎間板の中にある髄核(ずいかく)という柔らかい組織が硬い殻をやぶって飛び出すのが椎間板ヘルニアです。(ヘルニアとは飛び出すという意味です。)
飛び出した椎間板が神経を圧迫することで臀部から下肢にかけてのしびれや痛みを生じます。
特に多く発症するのが10~40歳代の若い世代です。
腰を曲げたり顔を洗うなど、前かがみの姿勢をとると症状が増悪するのが特徴です。
ヘルニアの痛みは、ヘルニアが出す起炎物質による化学的刺激とヘルニアそのものの圧迫による機械的刺激の両者に由来します。とび出たばかりの急性期のヘルニアは化学的刺激による激しい痛みを発しますが、これは次第にヘルニア自体の機械的刺激による鈍い痛みに変化します。すなわち急性期は小さいヘルニアでも激痛となる場合がありますが、その後ヘルニアの程度に応じて次第に改善に向かいます。
急性期は油断すると更なる脱出が起こりヘルニアが大きくなり、痛みが増強します。終に靭帯を破ったヘルニアは、生体にとって異物とみなされ、自己免疫機構が働いて白血球が貧食、消化され縮小します。これがヘルニアが手術なしで改善する一つの理由です。靭帯を破らなくても大きいヘルニアは縮小する傾向があり、ゆっくり良くなります。
薬物療法:最近は痛みのメカニズム解明が進み、新しい痛み治療薬が複数開発され本邦でも使用可能となりました。単に鎮痛のために服用するのでなく、この新しい治療薬で痛みのメカニズムに介入することにより腰痛病態の治療効果が上がるようになりました。
NSAIDS(非ステロイド系消炎鎮痛剤):急性期には効果あり。重篤なヘルニアには効果は限定的。神経障害性疼痛には効果は低い。
プレガバリン:「ビリビリ、ジンジン」といった神経障害性疼痛を合併する場合は効果的です。特に疼痛過敏状態の患者さんには有効です。
デュロキセチン:神経障害性疼痛には効果があります。プレガバリンで効果の少ない患者さんに有効なことがあります。
トラマドール:ヘルニアの強い痛みに対してNSAIDsと併用すると強い鎮痛効果を発揮します。
リハビリ:一般的には慢性期においてはリハビリ腰痛体操は有効だが急性期には殆ど意味がないとされています。ヘルニアは急性期に腰痛体操、例えば腹筋動作などを行うと椎間板内圧を上昇させヘルニア増大を来たし症状憎悪を起こすことがあります。急性期におこなうことはほどんど意味がありません。慢性期で、椎間板内圧が高くなく中等度の膨隆で安定化し、腰痛が慢性的に持続するような場合にリハビリ・腰痛体操を開始します。
手術療法:まずは保存療法で治療を開始し、80-85%は改善します。数ヶ月行っても効果がない場合や下肢の力が入りにくいなどの運動麻痺が進む場合、排尿排便に関係する括約筋の機能低下が認められる場合(膀胱直腸障害といいます)などは手術療法が行われます。下肢の運動麻痺や括約筋の機能低下は、重症になってからの手術では改善が乏しい傾向にあるため、腰椎椎間板ヘルニアの諸症状の中では早急な手術が望ましい、注意すべきです。
脛骨神経(けいこつしんけい)は足首の内くるぶしの下を通って足の裏から足趾に向かいます。
この際、足根菅(そくこんかん)という靭帯のトンネルを通ります。
この細いトンネルで神経が圧迫されることで症状を生じるのが足根菅症候群(そくこんかんしょうこうぐん)です。
かかと以外の足の裏から足趾にかけてにしびれを感じます。
足をつくと物がついているような感じや砂利の上を歩いているような感じなどを感じることがあります。
腫瘍など明らかな原因があればそれを手術で除去します。そうでなければ、まずは消炎鎮痛剤や足底板(インソール)、運動療法などの保存療法で症状を軽減します。
痛みとしびれは何が違うのでしょうか?
平成4年防衛医大卒。専門は膝関節外科。防衛医大病院で全年齢層に対する膝関節分野において数多くの研鑽を積み、自衛隊病院で低侵襲の靭帯再建術・半月板・骨軟骨等の手術を実践した。平成18年富谷整形外科医院を先代の父より継承。各患者さんの関節力を高める治療、特に生体工学・生化学の両面からのアプローチによる保存療法を得意とする。臨床研究・基礎研究ともに医学論文多数受賞。また自衛隊医官として災害派遣、海外派遣経験を持つ。患者さまとの絆を大切にし、運動器疾患の治療を通じて地域の皆様のお役に立てるよう努力を続けている。