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正式名称は、オスグッド・シュラッター病。膝のお皿の下の骨「脛骨粗面(けいこつそめん)」が隆起し、腫れと痛みが生じる、成長期に頻発する代表的なスポーツ疾患です。
オスグッドは、筋肉が発達し、運動量が増える小学校高学年から中学生にかけての成長期に多く見られるオーバーユース障害(膝などの使いすぎによる疾患)のひとつで、膝を曲げると痛みを感じるようになり、ひどい場合には歩くことさえ困難になってしまいます。
では、なぜ痛みが生じるのかというと、膝を伸ばす動作は、大腿(太もも)の前面にある筋肉「大腿四頭筋」が収縮し、膝のお皿の下の骨「脛骨結節」を引っ張ることで起こります。しかし、成長期の子どもは、まだ軟骨の部分が多くて弱いため、筋肉が繰り返し骨を引っ張ることによって軟骨の一部が剥がれて、腫れや炎症を起こしてしまうのです。
骨が剥がれれば、剥離骨折となって、さらなる激痛を伴います。剥離してしまった骨が大きすぎるものであれば、手術という選択も考えなくてはいけません。
オスグッドが初期の状態なら、運動をしばらく控えるだけで治りますが、症状が進むと一定期間は患部の安静が必要となります。さらに進むと装具療法や手術をする必要もあります。
オスグッドの痛みをなくすためには、その痛みが起因している根本的な問題を解決する必要があります。痛みの原因は、実は膝の下の部分にできる「出っ張り」ではなく、骨を引っ張っている「筋肉の収縮」にあります。
オスグッドは、膝の筋繊維が収縮して緊張した状態になっているので、血行が悪くなり、痛みが生じているのです。この緊張を解いて、痛みがない=「筋肉がゆるんだ状態」が自分にとっての当たり前にしていくことで痛みが解消されていきます。
陸上競技の中・長距離選手やサッカー、バスケットボールなど走ることの多い競技で、中学・高校生の選手(特に新人選手)に多くみられ、疲労がたまった時に発症しやすく、下腿(スネ)の内側に痛みを生じます。
シンスプリントのほかにもスポーツに伴ってすねの内側が痛くなるケガのひとつに、疲労骨折があります。痛む箇所もよく似ていていますが、治療方法が異なるので正確な判断が求められます。
シンスプリントの場合、痛みを感じる部分が10センチ程度と長く、約40%は両足のすねに症状が出るのが特徴です。一方、疲労骨折の場合は、片方のみに発症するケースがほとんどで、5センチ以下のピンポイントで痛みが発生します。
ただし、こうした症状だけで、自己判断するのは危険。気になる症状があったら、整形外科でMRIによる画像検査を受けることをおすすめします。
まずはシンスプリントの原因となる運動を休止して安静にし、アイシングやアイスマッサージ、消炎鎮痛剤、湿布で炎症を抑え痛みの軽減を図ります。
扁平足や回内足といった足の形態異常がある場合には、足底板(インソール)が用いられ、足底のアーチを補強することで患部への負荷を減らします。また、患部の負荷軽減のためにテーピングが行われることもあります。必要に応じて、冷やす・温めることを交互に繰り返す交代浴や、超音波治療などが行われます。
安静期には患部を休めますが、長く安静にしていると運動能力が低下してしまいます。そのため、安静時でも水泳やエアロバイクなど患部に負荷がかかりにくい運動を行い、加えて股関節や足関節、アキレス腱といった各部のストレッチで柔軟性を強化します。
運動時の痛みがなくなったら、足の指でタオルをつかむタオルギャザーや、チューブを用いた足の筋力トレーニングを行います。患部を押しても痛みがないようならウォーキングからはじめ、様子を見ながら徐々に普段の練習に戻していきます。ただし、急激に練習量を増やすと再発しやすいため注意が必要です。
疲労骨折とは、通常では骨折が生じないような弱い外力が、同じ部位に繰り返し加わることで生じる骨折です。
小さなひびからはじまり、徐々にひびが拡大していくと完全な骨折の状態となります。
スポーツなどで激しいトレーニングを繰り返すことが原因で発症することが多く、脛の骨に生じるものを走者骨折、足の甲の骨に生じるものを行軍骨折とも呼びます。
多くは、脛にある腓骨や脛骨、足の甲の中手骨に生じますが、肋骨や大腿骨、くるぶし、腕の尺骨に生じることもあり、どこに負荷がかかったのかによって発症部位は異なります。
10代前後の若者に発症しやすく、徐々に病変が進行するため、骨を修復するための生体反応である骨膜反応や仮骨形成を伴います。
一般的には、原因となるスポーツなどを中止し、安静を保ちます。骨折部位に骨の大きな偏位がある場合以外では、ギプスによる固定は必要としません。痛みが強い場合には消炎鎮痛剤の内服や湿布などの薬物療法が行われます。
一方、中手骨骨折や大腿骨骨折、大きく偏位している骨折では、ギプス固定だけでなく、手術による治療が必要となることもあります。
腰椎分離症とは、過度のスポーツや腰部の回旋(ひねる動き)などの負担によって、腰椎の後方部分が疲労骨折(分離)する病気です。疲労骨折とは、骨が本来耐えることができる外力より弱くても、同じ部位に繰り返し加わることにより生じます。腰椎分離症は、主に10代の成長期にみられ、発症すると腰痛や下肢かしのしびれなどが引き起こされます。一般の人では5%程度が分離症を発症しますが、スポーツ選手では30~40%の人が発症します。
腰椎分離症は、早期発見により手術を避けて治療することが可能です。初期の段階であればコルセットなどで固定したり、対症療法として鎮痛剤を投与したりします。また、スポーツや負担がかかる運動は2~3か月程度中止し、医師の指導に基づいたストレッチなどを行います。
原因は疲労骨折であるため、初期治療をきちんと行えば治ります。しかし、初期治療をおろそかにすると、骨折した分離部が癒合せず、分離症のままとなってしまいます。分離症は10歳代で起こりますが、その後徐々に分離すべり症に進行していく場合があります。
十分な治療を続けても生活が改善されない場合には、分離した部分を外科手術で固定します。
1つの目安として、スポーツ活動をしている約12~17歳で、腰を反ると生じる痛みが2週続く場合は受診をお勧めします。必要に応じて近隣施設と連携してMRIにより早期診断致します。
野球肘とは、成長期に野球の投球動作でボールを投げすぎることによって生じる肘を痛めるスポーツ障害の総称になります。
「野球肘」は、離断性骨軟骨炎や骨端軟骨損傷、靭帯損傷など複数の病名を含む総称になります。
肘の内側に発生する内側型と、肘の外側に発生する外側型の2種類があります。
内側型では、投球時に引っ張られるストレス(牽引力)が加わりやすいため、内側側副靭帯損傷や剥離骨折などが起こりやすくなります。
外側型では、上腕骨と橈骨の間に圧迫ストレスが加わりやすいため、離断性骨軟骨炎などが起こりやすくなります。
野球肘の予防と治療は、投球の中止が重要で、肘を安静に保つことが大切です。痛みや苦痛を我慢して野球をし続けることで、症状がさらに悪化し、酷くなると手術が必要になることがあります。早期治療を開始すれば、症状が改善し、スポーツへの復帰が可能です。
診断によって完全運動禁止からバッティング許可まで安静度が変わっていきます。
野球などのスポーツへの復帰時期は、回復経過を見ながらよく相談して決めます。
平成4年防衛医大卒。専門は膝関節外科。防衛医大病院で全年齢層に対する膝関節分野において数多くの研鑽を積み、自衛隊病院で低侵襲の靭帯再建術・半月板・骨軟骨等の手術を実践した。平成18年富谷整形外科医院を先代の父より継承。各患者さんの関節力を高める治療、特に生体工学・生化学の両面からのアプローチによる保存療法を得意とする。臨床研究・基礎研究ともに医学論文多数受賞。また自衛隊医官として災害派遣、海外派遣経験を持つ。患者さまとの絆を大切にし、運動器疾患の治療を通じて地域の皆様のお役に立てるよう努力を続けている。